12/21(日)、今年もM-1グランプリ決勝が開催されました。
2019年のレベルが高く、また、今年は新型コロナウィルスの影響でネタを劇場などで披露する場や、コンビ同士がネタ合わせする時間があまり取れなく、レベルが落ちることを懸念していました。
たしかに「ミルクボーイ」「かまいたち」「ぺこぱ」が最終ラウンドに残った2019年に比べると、全体としても、決勝ラウンド3組のネタの爆笑度にしても、もうひとつ爆発が欲しかったとは思います。
ただ、その中でも、ファーストステージの何組かのネタは、テレビで観ていて大爆笑しました。
そして、ネタ以外も含めた番組全体の中で、個人的に「あ、うまい!」「さすが!」と思ったのが、「見取り図」の一回目のネタ後の審査中に発生した、司会の今田がまっちゃんのボケに対して突っ込んだシーンでした。
~ 目次 ~
4番手「見取り図」は「タレントとマネージャー」のネタ
M-1はネタだけじゃなくて、毎回出場者と審査員だったり、司会の今田や女性タレント(最近はずっと上戸彩)との掛け合いも見どころの一つです。
2010年までの第一期であれば、ネタももちろんですが、毎度笑い飯の二人が、審査結果を受けて一言喋ったり、敗退が決まった際などにちょっとしたボケをブッコむシーンが一番楽しみだったりもしたものです。
今回は、個人的に一番笑ったシーンが、見取り図のファーストラウンド終了時にありました。
「インディアンス」「東京ホテイソン」「ニューヨーク」に続いて4番手で登場した「見取り図」。
見取り図は、ボケの盛山のパーマが掛かった長髪が特徴的。
今回のネタはあまり盛山の長髪がフィーチャーされるようなネタではなく、ツッコミの盛山が大物タレント、ボケのリリー(清水 将企)がそのマネージャーに扮したネタで勝負。
マネージャーとしておかしな言動を繰り返すリリーに対して、盛山が高くて大きな声でツッコでいく。
この盛山の大声でのツッコミは、これまで少しうるさすぎていまいち好きになれなかったのだけれど、今回の一本目のネタはうるさすぎるという感覚は覚えず、最後まで笑い続けて見れました。
冒頭の「無意識でやってしまいました」というリリーのボケのフレーズを、後半で今度はツッコミの盛山が使って回収しているところも素晴らしかったです。
点数は648点。3位で最終ラウンドへ
見取り図は648点を獲得。
審査員 | 点数 |
---|---|
上沼恵美子 | 95 |
松本人志 | 91 |
中川家礼二 | 93 |
立川志らく | 93 |
塙宣之 | 93 |
富澤たけし | 92 |
オール巨人 | 91 |
4組終わった時点で首位に立ち、その後5組目の「おいでやすこが」と6組目の「マヂカルラブリー」に抜かれたものの、3位で決勝ラウンドに進みました。
この4~6組目の3組が上位3組になったというのは、上下は置いておいて、審査員とわたしは意見が一致しました。
審査員の髪の毛いじりに対する今田のツッコミが的確!
見取り図の点数発表が終わると、恒例の審査員たちによる論評へ。
まずは上沼がコメントするのですが、盛山の名前が出てこずに「長髪の君」というように、髪型で呼びます。
それに乗って志らく師匠も盛山を「長髪」と呼んで続きます。
そして最後に論評を求められた松本人志は、盛山ではなくリリーに対して「デザインパーマの方」と呼びます。
コンビが両方とも髪型で呼ばれるという状況に、会場は笑いに包まれます。
さすがまっちゃんだなぁ、髪の毛弄りのボケを重ねてうまく笑いにするなぁ、と思っていたら。
「僕ら名前で呼んでもらえないんですか!?」と、不満を述べる盛山に、司会の今田がすかさず
「黙って。今金髪が喋ってるから!」
と、今度は松本人志の髪型を弄るという見事なボケ。
この今田の発言が、今回の放送の中で個人的に一番ツボで、且つ、上手いなぁ、と思ったところでした。
優勝はM-1史上最大の接戦で「マヂカルラブリー」
さて、優勝はマヂカルラブリーでした。
まっちゃんも1stラウンドの審査時コメントで言ってましたが、一発目のネタの、野田クリスタルの最初のボケ(全速力で高級フレンチ店に飛び込んでいく)は、最大瞬間風力が凄まじく、一気に観客のハートを鷲掴みにしました。
わたしもこの日のすべてのネタでどこで一番笑ったかでいうと、ここだったと思います。
ボケの野田クリスタルが強烈なキャラだけにあまり目立ちませんが、ツッコミの村上も上手だなー、と感心します。
「ちがうよ、ちがうよ、ちがうよ、違う、ちがう!違うよ!!」
と、「違う」を繰り返しているだけでのツッコミが続く場所がありますが、タイミングや言い方を微妙に変えていて、的確でした。
過去もっとも割れた最終結果に対する感想
最終決戦の各審査員の票は以下のようになりました。
・見取り図:2票(巨人、志らく)
・マヂカルラブリー:3票(塙、富澤、礼二)
・おいでやすこが:2票(松本、上沼)
過去16回のM-1で、審査員の数が7人だった年の中で、3票、2票、2票と、票が真っ二つ(真っ三つ?)に分かれたのは初めてだったと思います。
わたしも、審査のCMに入る前、これは審査が難しいなーと思わず呟きました。
もはやここまで来ると審査員の好みとか、どこを重視するのか、という部分によってしまいますし、マジカルラブリー優勝で全く異論はないです。
ただ、残念だったのは、3組ともが、1本目のネタと比べて決勝ラウンドのネタが2ランクほど質(笑いの量)が落ちたかなーと感じてしまったところです。
毎年のことですが、どうしても最終決戦に残るべく大抵のコンビが1本目に勝負ネタを持ってきて、2本目はやや落ちてしまうと思うのですが、今年はその落ち方が少し大きかった気がします。
気持ち良く終わるには、M-1はネタ一本で結果を決めるのも有りなんじゃないかーと思いますが、番組の盛り上がり的に難しいですかね。
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